その弐
1956年 昭和31年 |
大衆文芸一月号に「機長スタントン」
同四月号に「狐饂飩(きつねうどん)」
同七月号に「キリンと蟇(きりんとがま)」 同十一、十二月号に「恩田木工(おんだもく)」を発表。下半期の直木賞候補となる。 この頃、「鬼平犯科帳」の主人公になる、火付盗賊改方の長谷川平蔵に興味を持つ。 |
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1957年 昭和32年 |
小説倶楽部一月号に「三根山
大衆文芸二月号に戯曲「牧野富太郎」 同 三月号に「夫婦」 面白倶楽部三月号に「娘のくれた太陽」 大衆文芸五月号に「天城峠」 小説倶楽部六月号に「猿鳴き峠」 大衆文芸六月号に「眼」 小説倶楽部八月号に「明治天皇と能義将軍」 面白倶楽部八月号に「あの男だ!!」 面白倶楽部十月号に自衛隊ジェットパイロット」 小説倶楽部十二月号に「番犬の平九郎」 大衆文芸十二月号に「信濃大名記」を発表 三月「牧野富太郎」「黒雲谷」が新国劇で上演 「眼」が上半期の直木賞候補、「信濃大名記」が下半期の直木賞候補となる。 |
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1958年 昭和33年 35歳 |
大衆文芸二月号に「木端微塵」
小説倶楽部三月号に「土俵の人」 面白倶楽部四月号に「決闘高田馬場」 大衆文芸六月号に「緑のオリンピア」 週刊大衆六月三十日号に「碁盤の首」 面白倶楽部七月号に「母ふたり」 小説倶楽部七月号に「抜討ち半九郎」 同十一月号に「蒲魚(かまとと)」 大衆文芸十一、十二月号に「応仁の乱」を発表 三月「決闘高田馬場」「剣豪画家」が新国劇で上演される 「応仁の乱」が下半期の直木賞候補となる。 |
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1959年 昭和34年 36歳 |
小説倶楽部一月号に「竜尾の剣」
同三月号に「さいころ蟲(さいころむし)」 大衆文芸五月号に「賊将」 大衆文芸六月号に「秘図」 小説倶楽部九月号に「刺客」 同十一月号に「清水一角」 歴史読本十二月号に「永倉新八」を発表 「秘図」が上半期の直木賞候補となる。 九月、初の単行本「信濃大名記」(光書房)を刊行。 |
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1960年 昭和35年 37歳 |
「オール読物」四月号に掲載された「錯乱」により、第四十三回直木賞を受賞する。
オール読物四月号に「錯乱」 週刊文春八月一日号に「踏切は知っている」 歴史読本八月号に「鏡山騒動」 オール読物九月号に「うんぷてんぷ」 同十月号に「北海の男」 週刊大衆十一月七日号に「鬼坊主の女」 講談倶楽部十一月号に「尊徳雲がくれ」 小説倶楽部十一月号に「白い密使」を発表 9月「竜尾の剣」(東方社)、10月「錯乱」(文藝春秋)、11月「応仁の乱」(東方社)、 十二月「真田騒動ー恩田木工」(東方社)をそれぞれ刊行。 二月「清水一角」、五月「加賀騒動」(脚本演出)が新国劇で上演 |
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1961年 昭和36年 38歳 |
別冊小説新潮一号に「ト伝最後の旅」
文芸春秋二月号に「ひとのふんどし」 別冊文芸春秋七十三号に「蕎麦切おその」 別冊週刊朝日三月号に「夢の階段」 講談倶楽部五月号に「娼婦の目」 オール読物八月号に「色」 別冊サンデー毎日十一月号に「闇の中の声」 別冊小説新潮四月号に「権臣二千石(けんしんにせんごく)」 「オール読物」八月号に掲載された「色」が「維新の篝火」の題名で映画化される。 六月、「眼」を当方社より刊行 |
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1962年 昭和37年 39歳 |
スポーツタイムス一月三日号に「兎の印籠」
別冊小説新潮一号に「火消しの殿」 推理ストーリー二月号に「熊五郎の顔」 小説倶楽部三月号に「冬の青空」 歴史読本四月号に「妻を売る寵臣(つまをうるちょうしん)」 小説新潮九月号に「猛婦(もうふ)」 オール読物十月号に「運の矢」 文芸朝日十月号に「槍の大蔵」 別冊小説新潮四号に「よろいびつ」 内外タイムス他一月十六日付〜昭和三十八年六月三十日付に「夜の戦士」 週刊大衆二月二十四日号〜三月十日号に「めめ子の幸福」 アサヒ芸能十月二十八日号〜三十九年一月二十六日号に「人斬り半次郎」 週刊大衆十二月一日号〜十二月二十九日号に「台所の日本人」を発表 一月「復讐」二月「討たれ元右衛門」が松竹新喜劇で上演 |
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1963年 昭和38年 40歳 |
六月、師の長谷川伸が心臓衰弱のため死去。
推理ストーリー一月号に「あばた又十郎」 別冊小説新潮一号に「恥」 歴史読本二月号に「駿河大納言始末(するがだいなごんしまつ)」 小説新潮三月号に「鳥居強右衛門」 小説新潮四月号に「荒木又右衛門」 オール読物五月号に「烈女切腹」 小説現代五月号に、「金太郎蕎麦」 文芸朝日六月号に「さむらいの巣」 歴史読本七月号に「動乱の詩人」 日本八月号に「ごろんぼ佐之助」 小説新潮九月号に「南部鬼屋敷」 別冊小説新潮四月号に角兵衛狂乱(かくべえきょうらん)」 地上一月号〜三十九年三月号に「幕末新撰組」 週刊読売八月四日〜十二月二十九日「幕末遊撃隊」 夕刊東京タイムス十二月十日付〜三十九年八月七日付け「青空の町」 六月、「夜の戦士」(東方社)、十月、「人斬り半次郎」(東方社)を刊行。 三月、新国劇用に子母沢寛の「おとこ鷹」を脚色 |
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1964年 昭和39年 41歳 |
週間新潮一月六日号に「江戸怪盗記」
小説新潮一月号に「幻影の城」 推理ストーリー二月に「おしろい猫」 歴史読本三月号に「真田信行の妻」 小説新潮四月号に「勘兵衛奉公日記」 オール読物四月号「金ちゃん弱虫」 歴史読本六月号に「明治の剣聖」 オール読物七月号に「つるつる」 小説現代七月号に「おせん」 小説新潮十月号に「夫婦の城」 推理ストーリー十月号に「顔」 別冊小説新潮に「霧の女」 週刊新潮五月十一日号〜八月十七日号に「忍者丹波大介」 潮七、八月号に「北海の猟人」に発表 三月「真説・仇討ち物語」(アサヒ芸能出版)、 四月「賊将」(東方社)、「幕末新撰組」(文藝春秋)、 五月「幕末遊撃隊」(講談社)を刊行。 |
「週間新潮」1月6日号掲載の「江戸怪盗記」に
初めて長谷川平蔵を登場させる。
「つるつる」がこの年に発表されているが、これはちょっと予想外であった。なぜなら、この話は「禿頭記」と内容的には殆ど同じと言って、 良いものであると考えるが、「禿頭記」は「つるつる」より遥かに長編である、したがって「禿頭記」の方が後からのものと思っていたのである。 実際は、「禿頭記」は昭和三十年発表で九年も前であった。 |
1965年 昭和40年 42歳 |
オール読物二月号に「やぶれ弥五兵衛(やぶれやごべえ)」
小説新潮二月号に「へそ五郎騒動」 歴史読本二月号に「敗れたり彰義隊」 小説現代五月号に「開化散髪どころ(かいかさんぱつどころ)」 増刊推理ストーリー五月十五日号に「鬼火」 歴史読本五月号に「霧に消えた影」 別冊小説新潮三号に「看板」 オール読物七月号に「紅炎」 推理ストーリー十一月号に「首」 歴史読本十一月号に「若き獅子」 小説新潮十二月号に「黒幕」 中国新聞他五月十四日〜四十一年五月二十四日に「堀部安兵衛」を発表。 八月「忍者丹波大介」(新潮社)、 九月「娼婦の眼」(青樹社) 十二月月「青空の街」(青樹社)を刊行。 |
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1966年 昭和41年 43歳 |
歴史読本二月号に「剣客山田又蔵従軍」
小説現代三月号に「出刃打お玉(でばうちおたま)」 オール読物三月号に「力婦伝(りきふでん)」 小説新潮四月号に「波紋(はもん)」 小説新潮九月号に「命の城」 オール読物九月号に「同門の宴(どうもんのうたげ)」 推理ストーリー十二月号に「舞台裏の男」 週刊サンケイ八月二十二日〜四十二年七月十七日「さむらい劇場」を発表。 |
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1967年 昭和42年 44歳 |
歴史読本一月号に「首討とう大坂陣」
オール読物一月号に「坊主雨」 小説新潮五月号に「四度目の女房」 小説新潮七月号に「あほうがらす」 小説現代九月号に「恋文」 小説新潮十一月号に「御菓子所・壺屋火事」 オール読物十二月号に「浅草御厩河岸(あさくさおうまやがし)」 週刊朝日四月二十八日号〜六月十六日号に「上泉伊勢守(かみいずみいせのかみ?)」 信濃毎日新聞他四月三十日付〜四十三年三月三十一日付「蝶の戦記」 新評十月号〜四十四年三月号に「近藤勇白書」を発表。 一月「信長と秀吉」(学習研究社)、
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1968年 昭和43年 45歳 |
小説現代一月号に「おっ母、すまねえ(おっかあすまねえ)」
別冊小説新潮一号に「かわうそ平内」 同二号に「柔術師弟記」 同三号に「弓の源八」 小説エース十一月号に「だれも知らない」 別冊小説新潮四号に「寛政女武士道」 小説新潮一月号〜十二月号に「青春忘れもの」 サンケイスポーツ十月二十八日付〜四十四年九月五日付けに「侠客(きょうかく)」 オール読物一月号〜十二月号に「鬼平犯科帳」を発表 一月「にっぽん怪盗伝」(サンケイ新聞出版局)、
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(注) 「侠客」の「きょう」の文字は間違っていますが、正しい文字が見つかりませんでした。(^^; |
1969年 昭和44年 46歳 |
小説エース一月号に「秘伝」
オール読物一月号に「大石内蔵助」 小説新潮一月号に「谷中・首ふり坂」 小説新潮二月号に「元禄色子」 太陽二月号に「新年の二つの別れ」 アサヒ芸能問題小説特集三月号「縄張り」 小説新潮七月号に「女の血」 別冊アサヒ芸能問題小説九月号に「女毒」 読物専科十月創刊号に「夢中男」 小説新潮十月号に「三河屋お長」 新評十一月号に「決戦川中島」 小説新潮十二月号に「毒」 京都新聞他三月二十五日付〜四十五年六月九日付「火の国の城」 週刊新潮五月三十一日号〜四十五年五月十六日号「編笠十兵衛」 オール読物一月号〜十二月号に連作「鬼平犯科帳」 この年秋より、NETテレビで鬼平犯科帳が連続TVドラマ化される。 八世松本幸四郎、丹波哲郎、萬屋錦之介、中村吉右衛門らの主演により、幾度も作成・放映される。 三月「蝶の戦記」(文藝春秋)、
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(注) 「侠客」の「きょう」の文字は間違っていますが、正しい文字が見つかりませんでした。(^^;
(注)「青春忘れもの」(毎日新聞社)については、一月刊行としている文献もあります。 |
1970年 昭和45年 47歳 |
小説新潮三月号に「刃傷(にんじょう)」
小説新潮七月号に「その父・この子」 小説サンデー毎日十一月号に「逆転」 別冊小説新潮四号「激情」 小説セブン一月号〜十一月号に「英雄にっぽん」 週刊文春二月九日号〜四十六年九月二十日号「その男」 東京新聞他三月二十日付〜四十六年六月十七日付に「おれの足音」 問題小説九月号〜四十六年二月号に「闇は知っている」 静岡新聞他十二月十六日付〜四十七年八月六日付けに「忍びの風」 オール読物一月号〜十二月号に連作「鬼平犯科帳」を発表 二月「戦国幻想曲」(毎日新聞社)
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1971年 昭和46年 48歳 |
太陽一月号に「雨の杖つき坂」
海臨時創刊号に「内藤新宿」 小説新潮二月号に「顔」 小説新潮七月号に「強請(ゆすり)」 小説新潮十一月号に「殺しの掟(ころしのおきて)」 新評三月号〜十一月号に「まぼろしの城」 オール読物一月号〜十二月号に連作「鬼平犯科帳」を発表。 二月「英雄にっぽん」(文藝春秋)
「鬼平犯科帳−狐火」が松本幸四郎一座により明治座で上演され、演出を手がける。 |
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1972年 昭和47年 49歳 |
小説現代一月号に「おきぬとお道」 小説現代三月号に「おんなごろし」 小説現代六月号に「殺しの四人」 小説現代十月号に「秋風二人旅」 小説現代十二月号に「必殺仕掛人−後は知らない」 週刊朝日一月七日号〜四重八年七月二十七日号に「食卓の情景」
小説新潮一月号〜十二月号に「剣客商売」を発表。 一月「まぼろしの城」(講談社)
NETテレビで、「必殺仕掛人」が連続tvドラマ化される。
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◎藤枝梅安連載に際し、アーティ・ショウ(クラリネット奏者)のイメージから梅安 の風貌を連想
(ケ) |
1973年 昭和48年 50歳 |
文芸春秋十二月号に「母」を発表。 週刊現代一月三日号〜四十九年二月二十六日号に「忍びの女」 オール読物一月号〜十二月号に連作「鬼平犯科帳」 小説新潮一月号〜十二月号に「剣客商売」 小説現代に九月号、七月号、九月号、十月号に「必殺仕掛人」 一月「剣客商売」を新潮社から刊行する。
五月から十二月まで、「池波正太郎自選傑作集」全五巻を立風書房から刊行する。 1:殺しの掟(五月) 2:あばた又十郎(同) 3:猛婦(十二月) 4:知謀の人(同) 5:女毒(九月) 五月「剣客商売2 辻斬り」
六月松竹で「必殺仕掛人」(田宮次郎主演) 九月「必殺仕掛人・梅安蟻地獄」(緒方拳主演)が映画化される。 剣客商売が連続TVドラマ化される。 |
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1974年 昭和49年 51歳 |
週刊朝日一月四日号〜五十七年十二月十五日号に「真田太平記」
太陽七月号〜五十年九月号に「男振」 現代十月号〜五十年九月号に「男のリズム」 小説現代十月号〜五十年九月号に「映画日記」 オール読物一月号〜十二月号に「鬼平犯科帳」 小説新潮一月号〜十二月号に「剣客商売」 小説下bb第二月号、四月号、五月号、八月号、十一月号に「必殺仕掛人・藤枝梅安 」 を発表。 2月,松竹で「必殺仕掛人・春雪仕掛針」が映画化(緒方拳主演)される。 十二月「真田太平記」一巻を朝日新聞社から刊行、
昭和58年4月まで全16巻が刊行される。
十一月「秋風三国峠」が上演される。 |
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1975年 昭和50年 52歳 |
小説現代ぬ蛾ツ、四月、五月、八月、九一月各号に「仕掛人・藤枝梅安 」
オール読物七月〜十二月号に「鬼平犯科帳 」 小説新潮七月〜十二月号に「剣客商売」を発表。 二月「出刃打お玉」(歌舞伎座)
二月「剣客商売5 白い鬼」(新潮社)
この年、「梅安最合傘(ばいあんもやいがさ)」で「小説現代読者賞」を受賞 |
食に関するエッセイが刊行され始める。
十月刊行の「剣の大地」という本は記載されていない文献もある。 「剣の天地」との混同か?(調査中) |