チョウチョウ斑点 (10.11.13)

 多くのチョウチョウウオ類の特徴といえば、両目を隠すように通る黒い横帯模様(アイバンド)と尾びれの付け根近くにある黒い斑点があげられると思います。 (これに当てはまらないチョウチョウウオもいますし、クマノミの仲間のようにアイバンドを持つ他の種類の魚もいます) アイバンドに関しては同種類内の個体差はあまり出ないような気がしますが、斑点については同種類内でも個体差が多く現れるような気がします。 

 左の画像は今年採集した四匹のチョウチョウウオです。 この四匹のチョウチョウウオの斑点を見ると、固体よる差があることがよく分かります。 四匹で3パターンの模様が出ています。 

 画像の一番上にいるチョウチョウウオに現れているのが第一のパターンで、これが一般的で普通にwebや書籍などで紹介されている典型的なチョウチョウウオの斑点でしょう。 一つの黒い斑点の周りをオレンジ色の枠模様がグルリと縁取っています。 このオレンジ色は良く目立って椅麓です。 四匹中一匹がこのパターンです

 第二の画像はこの一般形の変形タイプでしょうか。 黒い斑点が一つではなく二つになっています。 そして、この二つの斑点は一部で繋がっています。 周りは基本パターンと同じようにオレンジのラインが二つの斑点を取り囲んでいます。 四匹中二匹がこのパターンです。

 一番下の画像は黒い斑点はありますが、周りを囲むオレンジラインがありません。 心なしか黒い斑点も色が薄いように感じます。 今回の四匹中一匹はこのオレンジ縁無しでした。

 高々、四匹のチョウチョウウオの中に3種類の模様の出方があるのも面白いものだなと思います。 今年の最終結果では、オレンジ縁有りの二個連斑点が半数になりましたが、基本形はやはり最上部の画像のものだと思います。

 何故これらの個体差が出るのでしょうか。 産卵と孵化の地域差? 水の違い? 混血か別種? 神様の単なる気紛れ? 専門家ではないので分かりません。 素人の私は 「魚の個性」 の一言で納得してしまいます。 限られた期間で限られた場所でしか魚の採集をしていない私ですが、比べてみると体の模様の変化とか色合いの違いに気がつき、これらを見ているだけでも中々面白いものだと思っています。


トゲチョウ (10.10.31)

 家の水槽で飼育しているトゲチョウチョウウオです。 採集ものです。 採集したときから少し色合いの変わったトゲチョウだなと思っていたのですが、大きく育った今でも少し普通のトゲチョウとは色合いが違うようです。 

 どこが違うかというと、全体に色が黒っぽくくすんでいます。 特に尾鰭の付け根辺りに黒が強く入っています。 また、体全体の白も濁っていてトゲチョウの特徴の白さはありません。 黒い縞模様も太く滲んでいるような気がします。 画像は加工してあります。 画像ほどの光沢感はありません。 

 体色の感じが異なっている原因ですが、飼育中の原因で色合いが変わるとすると、例えば、病気の治療用の薬の影響が考えられます。 このトゲチョウも白点病の治療薬として硫酸銅を使用されています。 この影響が一つ考えられます。 次に考えられるのは元々のこの魚の色合いで個性であるということ。 つまり何の影響も受けてないトゲチョウのバリエーションの一つということです。 

 左の画像が採集したときのものです。 採集したときには最初トゲとは思えずに、暫く考えたことを覚えています。 採集したときから、このサイズのトゲチョウにしては赤みが少なく、全体に色がボヤッとしていて。 体の下半分の黒色が目立っていました。 やはり個性なんでしょうね、この固体の。 因みにこのトゲチョウは 2006年9月に採集し、家に来て丸4年たったものです。
 今年採集したトゲの画像が右側です。 こんな感じで採集できるようなサイズのトゲは黄色より赤色という印象になるんですがね。