飼育小話三題 (2001.10.02) |
○その一 怒るトゲチョウ
皆さんご存じのとおり魚の中には体色を変えるものがたくさんおります。 体色の変化は
産卵期の婚姻色等もありますが、私たちが見られるのは夜眠っているときの変化とか怯えたり怒ったり
して警戒いるときの体色変化です。 寝るときの体色変化はどうしようもありませんが、警戒したときの
体色変化は、水槽に慣れ、飼育者になれると次第に表れなくなるものです。 魚がリラックスした証拠です。 ところで、今飼育しているトゲチョウの一匹 (例の二日かかりで採集したトゲチョウです)は
飼育し始めてから既に3週間を過ぎているのにこの警戒色を消してくれません。 アサリポンを入れるためや様子を
見るために近づいたりすると隔離ボックスの隅にへばりつき体色を黒く変化させます。これで人が
離れると普通の体色に直ぐ戻るんですが。 高々二日くらい追いかけたからと言ってそんな
に嫌うなよ。 大した事してないだろ(←大した事してるって)
○その二 ケヤリのゲッ
イソギン水槽は髭藻大発生でライブロックの7割方を撤去せざるを得なくなりました。 そこである日、水槽周りをビチャビチャにしながら石を取り除き、ついでに水換えをおこなったのであります。 今までライブロックがギッシリ状態だったのですが、なんだか水槽がすっきりしたような感じです。
たまのレイアウト変更もいいものです。 すっかり終わった後に、ふと気が付きました。 せっかくの水槽にまた藻が発生しては大変です。 少しでも
藻の発生を送らせたいので、以前使い残したホスヘイトリムーバを使用してみることにしました。 ネットに入れて
O/Fの水が落ちてくるところにセットしました。 これでよしと暫くしてから水槽を見てみると、ナッ、ナンとインドケヤリの口から細い紐のようなものが2本出ているではありませんか。 なんだか内蔵の一部が飛び出したように見えます。オイオイお前はナマコじゃないんだから思いましたが、
手を出すわけにもいきません。 暫くすると2本の紐は完全に外に出て砂の上に転がっていました。 ケヤリに特段の変化はないようです。
ポスペイトを入れた為か水を含め環境が大きく変わった為かは判りません。 ケヤリがゲッとしたお話です。
○その三 ミツボシ窮すれば通ず
この水槽にはいただきもののチビミツボシスズメダイが入っております。 とても小さくて1cmに満たない大きさです。 この魚は海の中では
サンゴイソギンチャクなどに着いているのですが、うちの水槽にいるサンゴイソギンチャクにはカクレクマノミのペアが既に占領しております。
やはり何かに着いていたいらしいミツボシスズメダイは代わりのものを見つけました。 イボヤギです。 夏バテで少し疲れているイボヤギの触手やコブの
間に入り込み、休憩したり夜眠ったりしております。 小さいときは何か頼れるものが欲しいのは魚も人間も同じなのでしょうか。