オーバーフローがオーバーフロー!  (2000.12.12 up)

オーバーフロー 00.11.27 
 一週間ほど出張をいたしました私が帰ってきたその晩のことであります。 出張疲れもあった私目は 「サァ、寝るぞ」 と根性を入れて布団にもぐり込んだのであります。 どれくらい時間が過ぎたでしょうか、 ウトウト状態の私目の耳に異様な音が聞こえて参りやした。 「グチャグチャ、ジタジタ、バジャバジャ・・・」
。 家のお気楽猫が一人で騒いでいるのかとストーブの点いているサンルームを見てみましたが、それらしい影は見えません。 「ウニャ、違ったか・・・」 そのまま一瞬寝ようかと思いましたが、音はまだ続いています。 「ボタボタ、バシャバシャ・・・」
  「ムハッ」 次の瞬間、私目は肥満体にできる最大限の素早さで跳ね起きました。 最悪の状況が発生しているかもしれないという想いが ここでやっと頭に浮かんだからであります。  「アヒャッ」  枕元の蛍光灯を点けてみると想像通り。 布団の脇1mにおいてある60x45x45水槽の下部補強の黒い枠とアクリル面の境から、 水がジャージャーと流れ出ています。  「アクリルの接着面の剥離だ!」 水はドンドン流れ出て、 私目の布団にとどきそうです。 「アワワァ」   サンルームにおいてあった水替え用のバケツを取り、噴き出す水を受けました。  「この部分の剥離では全部の水が抜けるなぁ」と思っていると、 どうも様子がおかしいのです。 「ボタボタ」の音が消えないのです。  部屋全体の灯りを点けてみると、剥離部分と違う側面からの水がガンガンと溢れています。 水槽の上面からオーバーフローしています。  「ンギャ」 これはモーターを停める以外ありません。  見るとモーターや殺菌灯も水を被り、テーブルタップも危ない状態です。 「感電するかも」 なんて考える余裕も無くモーターのコンセントを引き抜きました。 すると水槽上部から溢れていた水は落ちなくなり、 水槽一杯になった水はやがてモーターからの給水管を通って逆サイホンのようりょうで濾過槽に戻り、水槽の水面は下がっていきました。  落ち着いて被害を見ると畳約一畳分が水浸し、布団は危うくセーフ。 割合軽傷で済んだようです。   最初、接着部分の剥離だと思ったのは、上から溢れた水が補強材のところで跳ねて吹き出しているように見えたものでした。  バスタオルを持ち出して畳の掃除しながら、明日、奥方に「怒られるんだろうな〜」
 一段落ついてシステム再開ですが、オーバーフローした原因については 「暫く(約1ヶ月)モーターを使ってきたので、モーターにアブラが廻って水量が増えたんだろう (←この辺がまだ寝ぼけてる) 」 として、 モーターを再始動しました。  水は順調に揚水され、水面が上昇してきます。 やがてオーバーフロー排水孔へ、そして下の濾過槽へ・・・落ちません。 「ギョッ、なぜ」。  この水槽は元々はO/F加工がしてなかったものを、1月前に、側面アクリルに穴をあけて、螺子のきってあるL型の塩ビ管を 取り付け、さらにそこに排水用の蛇腹ホースを繋いだ手作り加工品なのです。 モーターの給水管は16mm、オバーフロー管は30mm。 水が落ちないわけは無い。 「ウニャッ」 ピンとくるものがあって、排水孔へ指を突っ込むと指の先に何か硬いものが・・・。 「詰まっている」   取り出そうと指を動かすと、その硬いものは「コロン」と排水ホースの中へ。  同時に 「ズビズビー」 と水が排水孔へ流れ込み始め、 やがて水面はいつもの定位に安定! 一件落着・・・。

詰まった貝 00.12.12 「さっきの硬いものは何だったのか」 濾過槽の最初にセットした物理濾過槽を覗いて見ると、ありました、ありました。   それは貝 (たぶん「アマオブネガイ」) でした。   磯で拾い、水槽面の苔取りに入れた貝の一つです。  これが排水孔の中に入りこみ栓になってしまったのです。 普段は、小さなアミメハギが吸い込まれないように、孔に園芸用の鉢穴ネットをつけてあるんですが、少し隙間ができていたようで、 貝はそこから入りこんだのです。 なんともマァ〜です。 原因が判明して、後は明日奥方に怒られるだけとなったので、 「ゆっくり寝るか」と布団にもぐりこみましたがどうも落ち着かず、 灯りを点けて水槽の状態を確認しました。 オーバーフローは順調でした。  水位も一定してます。 ところがアクリル面を見ると、「グッ」  先ほど詰まっていた貝と同じ貝がゆっくりとアクリル面を這っています。 もう一匹いたようです。 もう一度あの騒ぎは御免です。  ガバッと手を入れ撤去。 やれやれこれで安心して寝られる・・・。 

 追伸 奥方からは何も怒られませんでした。というより奥方は水の漏れたことを全く気づかなかったようです。ヤレ、ヤレ。


ペアがお似合い  (2000.11.26 up)

ペア 00.11.27 海水魚は同種では争うことが多いのですが、中には水槽内でもペアでいるのがよく似合う魚達もいます。 私の水槽でのペアを紹介しましょう。

 まずはカクレクマノミ
です。 (画像の左側) このペアはショップで一番大きな固体と小さな個体を選んで購入したものです。 それだからオスとメスだとはいえません。 水槽に入れた当初は、岩陰に潜んでいることが多かったのですが、ロングテンタクルアネモメを入れてみたところ一週間ほどでイソギンチャクに入るようになりました。 本来はハタゴイソギンチャクのほうが良いのですが、たまたま売っていなくて代わりに入れたイソギンチャクでしたが気に入ってくれたようです。 ところで、このイソギンチャクに入るようになってからカクレクマノミの行動が多いに変化しました。 それまで水槽のコケ取などで手を入れるとさっさと隠れてしまいましたが、最近は手を噛むようになってきました。 主に体の大きな方です。 また、他の魚がイソギンチャクへ近づこうとすると、これまた威嚇して追い払います。代われば代わるものです。 もうワンペアはアカハチハゼです。 (画像の右側) これもショップ購入で、それぞれ4cmくらいでしょうか。 昨年12月に購入したアカハチハゼは全長12cmを超えて尚元気ですが、小さなものが欲しくて購入したものです。 このペアも全く仲がよく、常にペアで泳ぎながら例の砂爆弾を振り撒いています。 彼らが砂の表面を掻き混ぜてくれるので砂表のコケが取れてありがたいのですが、一緒の水槽にいるケヤリのうち、砂中に体を入れている一つがほぼ埋まりかけています。 そのうちこのケヤリは鞘を脱ぎ捨て別の場所に移動するかもしれません。 ほかに仲良くペアいてくれる魚といえば、テングカワハギでしょうか。 この他、チェルモンの3cmも二匹いますが、これは喧嘩ばかりです。 失敗のようです。 


寝姿にドキッ  (2000.10.06 up)
 皆さんはテングカワハギという魚をご存知だとおもいます。  オレンジ色の地に青緑の網目模様、長く突き出たオレンジ色の吻、オレンジ色に縁取られてキョロキョロ動く目、常に頭を下げてゆったり泳ぐ姿。  何れをとっても南の魚らしい可愛い魚です。 ただ、飼育についてはプランクトン食(ポリプ食と書いてある飼育書もあります)なので、少し難しそうです。 そんなテングカワハギが、はじめて我が家の水槽にきたのは今年の5月のことでした。 個室に隔離して、冷凍ブラインシュリンプ゚を与えたところ、3.4日で それを食べるようになり、5ヶ月たった今では丸々と太っています。
 ところでこの一匹はメス(お腹の真下にある黒い三角の部分に模様がなく、黒一色のがメス)です。 ペアにすると大変仲が良いと、どの本にも 書いてありますので、オス(黒い三角のところにオレンジ色と白い斑点が入る)を購入したいと思っていました。 そんな彼がやって来たのは、今週の初めでした。 早速、虫かご隔離室に入ってもらい水槽に慣れてもらうことにしました。 夜、寝しなにシュリンプを入れましたが、さすがに初日は食べる気配もありませんでした。
アラムシロガイ 00.08.21  翌朝、早速彼を見に行くと、思わずドキッとしてしまいました。 彼は画像のような姿で横たわっていたのです。完全に横になり、吻を虫かごの間に挟み込み、体色も白っぽく変色していました。一晩でかと思いましたが、じっと見ていると鰓は少し動いています。やがて目がクルクルッと動き出しました。そうです、彼は単に熟睡中だったのです。やがて5分もしないうちに彼は虫かごの中を元気に泳ぎだしました。
 多くの魚が睡眠中は体色を変化させることが知られています。チョウチョウウオなども随分変化させます。しかし、ここまでやられると、しかも完全に仰向けにまでなられると、思わず「寝姿に、ドキツ」なのであります。やられました。
 今この二匹は大変仲良くしていますが、夜寝るときは別々です。 以前からいるメスはヒーターのコードに、そしてオスは上置き方のろ過器の給水管に、それぞれ口の先と額をくっつけて下向きに寝ています。 オッと、もう少し詳しく言いましょう。ヒーターコードは人気が高いらしく、テングカワハギの5cm下には、新参のニシキカワハギが口先だけをくっつけたまま、そして上側5cmのところには、チリメンヤッコに邪険にされたナメラヤッコがひっそりと身を寄せて寝ています。


ケヤリと不思議な貝 (2000.08.28 up)
アラムシロガイ 00.08.21   ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんけれど、私は ケヤリが好きで何種類かを水槽に入れていました。 インド、ラセン、 本ケヤリなどです。 ところが最初は大きく開いていた 鰓菅(さいかん)が何時の間にか開かなくなってしまいました。 ケヤリは水質が急変したり、悪化すると、その鰓菅を 自切してしまう場合がありますが、そんな時でも暫くすると水質に慣れ、 再び鰓菅 を伸ばしてくれます。水槽のケヤリもチューブは残っていましたのでチューブの中で再生中だろうと思っていましたが、 中々鰓菅を伸ばしてくれませんでした。 試しにチューブを手にとって確認したところ、中は空っぽで 本体が入っていませんでした。 「やはり水質が合わずに死んでしまったのだろう・・・。」
 そんな中、一週間ほど前にふと水槽を見ると、岩組みの下に ケヤリが一本鰓菅を開いているのに気がつきました。 とても小さなものでしたが、その鰓菅の模様は以前消えてしまったケヤリの一つにそっくりでした。  サイズは五分の一くらいのものです。 多分、購入したケヤリの本体がそれまでのチューブを出て、 新しいチューブを自分の好みの場所に作ったんだろうと思いましたが、そんなに 前の場所が気に入らなかったのだろうかと怪訝な思いと 生きていたことの嬉しさが ありました。
ところが、昨晩帰宅して水槽を見てみるとそのケヤリがいません。 いつもの所に鰓菅を広げていないのです。 おかしいなと思ってよく見るとその場所から10cmほど離れたところに おかしな生き物がいます。 長さは3cmくらいでスベスベの肌は茶褐色、太目のミミズを短くカットしたような感じです。 「ケヤリの本体だな」と思いました。 見たことは無いのですが、間違いないようなきがします。  その生き物が砂の上をモソモソと這っています。 さらによく見ると、その 本体を追いかけているように見える生き物がいます。 小さな巻き貝です。 この巻き貝は、GWに行った潮干狩りの海岸で取ってきたものです。  どう見てもその貝がケヤリ本体 (らしき生き物)を追っている様に見えます。 慌ててその貝を取り出し、 更にケヤリがいた辺りの砂の中を捜して合計3個の貝を取り出しました。左の画像の貝がそれです。 この貝は図鑑で見ると、 アラムシロガイのようです。  なんとなく自分では、ケヤリがいなくなった理由が分かった ような気がします。 つまり、この 貝がケヤリを襲って食べてしまったと思うのです。  図鑑では死んだ魚を食べると紹介されていましたが、 ケヤリを襲うことは考えられると思います。皆さんの意見は如何でしょう。


ポリプ食の魚達 (2000.08.21 up)
ヤスジチョウ 00.08.21  現在、海水魚水槽は三つありますが、その内第二水槽だけはサンルームではなく、室内に入っています。ここには珊瑚礁の住人で、かつ採集では集まらない魚を飼育しようと思っていました。今いる魚は、デバスズメ、カクレクマノミ、ヤエヤマギンポ、シモフリタナバタウオ、ヒゲハギ、テングカワハギ、チリメンヤッコ、ヤスジチョウです。 この中でチリメンとヤスジはごく新参者です。チリメンは昔から好きな魚です。ヤスジはポリプ食魚の代表として入ってます。チョウチョウウオの仲間を食性で分けると、雑食性の仲間、底棲小動物食のなかま、そしてポリプ食の仲間に分けられるのはご存知の通りであります。 それぞれ代表種としては、雑食性ではトゲチョウ、フウライチョウ、チョウハン、底棲小動物食ではティンカーズbf、インディアンbf、 そしてポリプ食はミカドチョウ、ミスジチョウ、ハナグロチョウ、オウギチョウなどがあります。実はこの水槽でポリプ食のチョウ飼育に挑戦して見たいのです。 何故ポリプ食の魚に挑戦したくなったかと言うと、最近手に入れたTMAのバックナンバーで幾つかの餌付け方法を読んだことがきっかけです。 確かにポリプ食の魚は餌付けが困難で、種類によるポリプ依存度の違いがあり、また固体の大きさ・性質などによってもこれが違ってくるなど飼育する側で制御できないことが多いのですが、現に長期に飼育している方もいるとのことです。今の水槽にいるテングカワハギも食性は違います(プランクトン食性)が餌付けが困難な種類の一種といわれています。これをほぼ餌付かせることができた(と思う)ことも挑戦してみようと思った一因です。
 ということで、暫くポリス食魚を相手に奮闘してみようと思います。本当は最初にミカドチョウを購入する予定だったのですが、たまたまヤスジしかいなかったのでこれを購入しました。(この辺が、色々言っている割には非常に安易!) 個人的には、ミカドチョウ、ミナミハタタテなどにも挑戦してみたいと思っています。彼らはポリプ食であり、価格も安目ですが、なんといっても 鑑賞魚として十分な美しさを持った魅力的な魚です。餌付けはやはりアサリからでしょうか。サンゴ岩に塗りつけるか、その前に興味を示してくれるか。前途は全く多難ではあります。

(参考) 現在いるテングカワハギは飼育を始めてから四ヶ月が経ちました。このテングの餌付けの方法ですが、まず個室を用意しました。例によって、穴明き屑篭です。これにペア二匹をのみを入れました。餌は冷凍ブラインシュリンプで、 アサリは最初からテングには合わないと思い、試しませんでした。冷凍ブラインシュリンプを一片取って個室に入れておきますが、 最初の二日位は興味を示しませんでした。しかし、その後渋々ながらシュリンプを口に入れるようになり、一週間後には食べているのが間違いなく確認できまでになりました。本当ならこの後人工の餌まで食べるようにまでしたかったのですが、狭い個室をいやがている様子が見えましたので、水槽のなかに放しました。この時点でテングは一匹になっていました。タンクメイトとしてはデバスズメとカクレクマノミなどが動きの速いものとしていましたが、大した事の無いメンバーでも有ります。給仕の注意としては人工フレークを先に与えてデバやクマノミを満腹させ、その後に冷凍のブラインシュリンプを与えます。テングカワハギは水流に解けて流れたシュリンプの欠片を吸い取るように食べています。今日の時点ではフレーク飼料(S)ども口にしているのが確認できました。


魚とお遊び (2000.06.21 up)
チョウハンとバンデッド 00.06.21  海水魚は飼育が難しいもので、なかなか油断できませんが、勿論飼育する以上は魚を見て気持ちを休めるとか楽しむというのが目的ではあります。今回はそんな数少ないお遊びの話です。
 先日採集してきたチョウハンは水槽の環境と人工の餌に慣れさせるために個室に収容しています。個室と言っても、100円ショップで買ってきた子供用の虫かごです。薄い水色で四角の窓が沢山ついており、水通しが良いので使っています。これを900mmの魚水槽につるして、他の魚とお見合いしながら邪魔されずに餌を突付けるようにしています。ただ、四角の窓が少し大きそうなので、虫かご全体を生ゴミ用の水きりネットに入れてあります。そんな中でチョウハンは浅蜊の味を覚え、今朝から浅蜊のミンチに1割ほど人工飼料を混ぜ込んで冷凍した餌を食べ始めました。
 今日帰宅してカゴを見ていたときにネットが少し汚れているのに気が付きました。食べ残しの餌などによるものです。「新しいのに替えてやるか」とネットを外し、台所に新しいネットをとりに行って戻ってくると、当のチョウハンが虫かごから脱出して、水槽の中を泳いでいました。ネットが無くなったので窓から出てきてしまったのです。様子を見ていると、先住のチョウチョウウオやサザナミヤッコに少し邪険に扱われていますが、背鰭立て防御でがんばってます。「このままでも大丈夫かな」とも思いましたが、まだ餌を完全に切り替えていないので、やっぱりこのまま水槽においてはおけません。それではと、熱帯魚用の小さな網を出して来て捕獲開始です。ところが、彼のチョウハンは巧みに岩の間を逃げてつかまりません。他の魚もいるので余り水槽内をかき回したくないんです。その上何を勘違いしたのか、先住のバンデッドバタフライが積極的に網の中に入ってくるのです。このバンデッドは大変な甘えん坊で、餌付けのときもアサリを手から食べてましたし、この網の中に浅蜊を入れて食べさせたこともありましたで、網の中には浅蜊があると思ったらしいのです。「おまえじゃないの、おまえは邪魔なの」などと言いつつ、どうしてもチョウハンが捕まらないので「エエィ」と切れた私目はついに採集用の大きな網を持ち出し
ました。そうしてついに御用にしたわけであります。早速、カゴに戻そうとすると、なんと虫かごの中には先ほどのバンデッドが入り込んでいて、チョウハンの食べ残した浅蜊をパクパクやっている最中です。「そこはおまえじゃないの、出る出る」と追い出し、チョウハンを虫かごへ入れる直前に折角だからと写真をとって、元に戻したわけです。上の写真は、やっと元に戻ったチョウハンと籠の中の浅蜊をまだ未練ありげに覗き込むバンデッドであります。虫かごに戻す直前の、不満げなチョウハンの写真はオープニングページに載せました。なかなか二匹のチョウと楽しく遊んばせてもらったひと時ではありました。
 ところが続きがありました。チョウハンを戻しているうちに、もう一つの個室(これは100円ショップで買った穴明きの小さなクズカゴ)に収容していたテングカワハギが脱走しておりました。彼もなかなか繊細な魚で餌を食べてくれませんので、個室に入れてやっとアサリを食べることを覚えたばかりです。ちょっと追いましたが、いつもは頭を下にしてのんびりと泳いでいるのに掬おうとするとピューと逃げます。「もう止め!君は明日・・・」


ショック (2000.01.28 up)

 昨夜、仕事先の帰りにあるショップへ寄ってきました。初めて行った店で、狭い店内にぎっしりとペット用品が並んでいて、まるで迷路のようです。海水魚関連では濾材、各種の珊瑚用調整剤、モーターなどの器具、成体などがぎっしりでした。 (私はメタハラなる照明器具を初めて見ました。) 主人も話好きで、業界裏話を初め面白い話が沢山聞けました。
 そんな中に魚もいました。「海水魚が入荷しなくって・・・」と主人の話でしたが、良く覗いてみると「マンダリン」や「ハタタテハゼ」など欲しい魚がいたので早速購入しました。そんな中で、「ハタタテダイ」を見つけました。いつかは採集したいと思いながらも見つけられず、購入しようとしたときもありましたが、今まで見たものは、あの背鰭が裂けていたり折れていたりで、もうひとつ納得できないものでしたので、購入していませんでした。ところがここで見たものは、背鰭に傷一つ無く理想的でしたので、喜んでこれも購入しました。面白い店を見つけ、「色々教えてもらえそうだぞ」(主人がとにかく話好き)といい気分で家に戻りました。
 早速魚を水槽に放しました。「マンダリン」と「ハタタテハゼ」は無脊椎水槽へ、「ハタタテダイ」は魚水槽へ入れました。見ていると、例によってカゴカキダイが威嚇しますが、たいしたことはありません。また。サザナミヤッコも尾鰭から近づいて威嚇しますが、これもご挨拶程度です。ハタタテダイは、全長7cm、背鰭はその2倍近くありそう。胸鰭も体の割には大きく感じられます。ユッタリと優雅に泳いでいる感じです。寝る前に電気を消した水槽を除いてみると、ハタタテダイはO/Fパイプの影で寝ているようでした。
 今朝、早速様子を見ようと水槽の電気をつけてみましたが、ハタタテダイが見当たりません。パイプの影にも岩の陰にもいません。背鰭まで入れれば水槽の中で一番大きな魚ですから、見えないわけありません。が、見つかりません。O/Fのパイプの中も見ましたがいません。餌を与えれば出てくるかと思いやってみましたが、それでもダメでした。
 もう一度丹念に岩陰を覗いてみると、魚の鰭が動いているのが見えました。前覗いたときは小さかったので、デバスズメがまだ寝ていると思ったんですが、今はデバは餌を食べに皆出ています。慌てて岩をどけてみると、「ハタタテダイ」でした。ヒドイ姿でした。あんなに長かった背鰭は完全に無くなり、二本の骨になってます。それどころか、その骨の根もとの皮膚まで食いちぎられています。黒い大きな胸鰭も食いちぎられてズタズタです。
 「おまえらそこまでやるか・・・」思わず餌を食べてる魚に向かって言ってしまいました。水槽にいるのは、デバスズメやホンソメワケベラなど大人しい魚以外は、去年の春に採集したカゴカキダイとギンユゴイ、それとサザナミヤッコ、コガネキュウセンのチビチャンなどです。どの魚がここまでやったのかは解りません。 こういう事故の原因は全て飼い主(=私)にあるのは当然なんですが、今までには小競り合いはあっても一晩で解消してましたので、油断していたかもしれません。とにかく、ショックでした、あの魚たちがここまでやることに。
 夜、家に帰ってみるとハタタテダイは隔離水槽で生きていましたが、この文章を書いている間に☆になりました。僅か一晩家にいただけでした。

 暖かくなったら、カゴカキダイとギンユゴイは海へ戻します。二度と彼等を採集する気はありません。それまで、「ハタタテダイ」は購入しません。