5. 魚の追加 |
◆水槽内の濾過には大きく分けて二つの濾過があります。 一つは物理濾過と呼ばれているものです。 これは水中にある物理的な物の濾過で、具体的には餌の食べかすや固形の汚物やゴミなどです。これは濾過槽の入り口に置かれたウールマットにより行なわれます。 ウールを使ってこれらのものを濾し取ろうということです。 一般に、これを物理濾過と呼んでいます。
◆もう一つの濾過を生物濾過といいます。 これは何かというと、水槽内に発生したアンモニアをバクテリアによって比較的魚にとって毒性の低い硝酸塩(イオン)に変化させてもらい、無毒化することをいいます。
濾過ができていないというのは、このバクテリアの発生と繁殖が少なく生物濾過の働きが十分ではないことを言います。 |
ショップの所在地はインターネットで調べたり、海水魚雑誌などの広告を見たりして確認します。 もし既に何年か海水魚飼育をしている人がいたらその人に教えてもらっても良いでしょう。 他のいろいろな情報を聞かせてくれる事もあります。 |
いざ店に行ってみると、概して店が小さいのに驚かされます。 営業時間も一般の店と違い10時30分位から20時位までの店が多いようです。
その小さな店の中に入ると、狭いスペースの中にいくつもの水槽やら器材がぎっしり並んでいます。 水槽の水のためか湿度が高いのも特徴でしょう。 店に入って、 「いらっしゃいませ〜」 などと声をかける店は殆どありません(と思う。 ある程度顔なじみなるまではしょうがない)。 そんな雰囲気に戸惑う必要は全くありません。 店を見回して海水魚水槽を探しましょう。 明るい照明の下で、ピカピカの透明な水の入った大きな水槽がすぐに見つかるはずです。 (勿論、もっと地味な感じのところもあります。) その水槽の前に陣取ってじっくり魚を品定めしましょう。 既に目的の魚があるなら その魚がいるかよく探しましょう。 その他の名前の知らない魚も沢山いるはずなので、それらも良く見ておきます。 今後の役に立つかもしれません。 |
せっかくショップへ来たのですから、魚を買うだけでなく他のところも見てしまいましょう。 水槽の見た感じはどうだろうか? 水は透明感があります。 本当に光っていますネ。 ガラスなどの水槽面も苔一つありません。 水槽台はどうでしょうか。 大きな水槽を支える台の構造はどうなっているんでしょうか。 一番気になる濾過槽の様子は見えますか? 濾過槽は大体水槽台の下に目隠しされていることが多いようです。 隙間があったら覗いて見ましょう。 濾材は何か。配管はどうなっているか。 無脊椎水槽があるならそれも良く見てみましょう。
店は販売のためのディスプレイで水槽を置いてありますから、一般に個人で飼育するのとは条件が違っていて全てが参考になるとはいえませんが、それでもプロのやっていることですからきっと何かの役に立つはずです。 今度は器具売り場の方を見てみましょう。 色々な器具がありますが、自分が必要と思っている器具の価格を見てみます。 定価よりは随分安く売っているはずです。 餌やウール、蛍光灯などの消耗品、魚病薬も見てみましょう。 長く飼育を続けるのですからこれらの情報も大事です。 |
さて、いよいよ購入する魚を選びましょう。 いくつか考慮する点がありますので以下を参考にしてみてください。 なお、以下は相当の私見が入っておりますので悪しからず・・・。
◆組み合わせ 魚の追加の場合、組み合わせを考える必要がある場合があります。 例えば、スズメダイの類が先にいる水槽に同種の魚を追加すると縄張り争いが起きて喧嘩になります。 魚食魚(ハタなど)を組み合わせると小さな魚が餌になってしまいます。 比較的大人しいチョウチョウウオやヤッコも同種で大きさに差があると小さい方はいじめられてしまいます。 今回はデバスズメダイが先に入っているという想定ですが、この魚は他のどんな魚に対しても協調性がありますので心配はありません。 ◆動きは活発か 基本的には水槽内で活発に泳ぎ回っている魚を選びます。 これから環境が変わったり餌が変わったりするわけですから、基礎体力があるほうがずっと良いわけです。 ただし、活発に泳いでいるといっても泳ぎ方そのものに異常があるものと間違えないようにしてください。 クルクル円を描くように動いているとか、体を振りながら泳いでいるとかしている魚です。 これらは当然活発というより体の異常に伴って泳ぎ方がおかしくなっている魚です。 物陰に隠れてでてこない魚なども避けます。 ◆魚の体を見る 魚の体表をよく見てみます。 表面に赤い血のようなものが滲んでいませんか。 鱗の一部が逆立っていませんか。 小さな白い点々がついていませんか。 鰭の一部が欠損していませんか。 呼吸が速くありませんか。 背中 (背びれの付け根) が極端に痩せていませんか。 目が大きくなっていたり、飛び出したようになっていませんか・・・。 最初は中々分かり辛いかもしれませんがこれらは魚の病気の兆候といえます。 魚の大きさですが、私の場合、購入したい魚が複数いる場合には基本的に小さな個体を選びます。 これはこの後の餌付けのしやすさから決めています。 一般に餌付けが必要な魚はできるだけ小さい方が餌付け期間が短くて済みます。 大きくなればなるほど、自然の海の餌を食べていた期間が長いことになりますので、人工の餌に慣らすのは難しくなってきます。 そのため、小さな個体を選ぶのです。 ただし、小さいほど体力がありませんので一概にそうした方がいいとはいえません。 難しいところです。 ショップで既に餌付けをされている魚を売るところもあります。 その場合には店の人に聞いて同じ餌を同時に購入しておきます。 |
ショップで魚を購入すると左図のようにビニールの袋に入れてくれます。 水は大した量ではありませんがその分酸素をタップリ詰めてくれます。 普通はこのままで半日は魚は大丈夫です。 これは先日魚を購入したときの画像でビニールを2枚重ねしているだけですが時期によっては保温のために新聞紙を使って包んでくれます。 ビニールの口は水と酸素が漏れないように輪ゴムを使って独特の結び方をします。 魚を水槽に放すときには結んである元を持って折り曲げられたビニールの端を強くひくと一気に輪ゴムが外れます。 今回、この画像を撮るためにショップで魚を買ってきました。 ミスジチョウとヤリカタギ・・・。 なんちゅう 魚を買ってくるのか! 後が大変! |
家に持ち帰った魚は袋入りのまま飼育水槽に浮かべます。 これは飼育する水槽の水温に徐々に慣れさせるために行なうものです。 いきなり魚を袋から水槽に入れたりするとショックを起こしたり、後々白点病になったりする恐れがあります。 この水温合わせは小一時間もかければいいでしょう。 時間がきたら、袋の口を開け、飼育水を少しずつ何回かに分けて袋に入れていきます。 ショップの水と水槽の水は違いますので徐々にこれを慣らしていくのです。 (懺悔:私目はこの水に少しずつ慣らしていくことを省略しております。 m(__)m ) これらの一連の行為を水合わせといいます。 |
ここまで終了したら魚を水槽にいいれます (注)。 ただし、これから魚には餌付けをする必要がありますので、隔離できるものに入れます。 画像は水槽に浮かべた大き目の駕籠を隔離室に使っているものです。 隔離する目的は餌付けする魚だけの環境にしてじっくり餌に慣れてもらうためです。 ここでは二匹をいっしょにしていますが、後で別々にしました。 (注)ここでは本水槽に入れていますが、トリートメントタンクを用意して入れるようにもよく言われます。 トリートメントタンクというのは60cmの企画水槽などを用い、購入した魚を一時的にストックし病気の有り無しなどを見極め、本水槽のほかの魚に影響を与えるのを防ぐために使います。 ただ、私としてはこれをしていません。 理由は、ショップの水⇒トリートメントタンクの水⇒本水槽の水と魚に対して水を替えていくことのほうが総合的にマイナスと思っているのと、購入した魚が即病気になったケースが無いためです。 トリートメントタンクは臨時的なもので、濾過ができていないのが普通だと思います。 その方が魚に悪影響を与え病気にするような気がして仕方ありません。 (以上、全くの私見) |
魚の追加は楽しくも難しい・・・。 |