ある日ある時、何時ものように魚に餌をやってから水槽の水面に浮かんだゴミを取ろうとしたときのことです。 水に浸けた指先に少し違和感を感じました。 ピリピリするような、チクッとするような感じです。 気のせいかと思いながらも、もう一度指をつけてみると同じような感じです。 肘の辺りまでジリジリするようでもあります。 これは「漏電」です。 水槽回りは全て電気器具ですから、注意しないと漏電を起こすことがあります。
◆漏電とは
漏電は電線(コード)や器具の内部で、何らかの原因により絶縁破壊または減衰が起き、底から意図していないところへ電気が流れてしまうこと。感電や火災につながる恐れがある。
◇漏電個所の発見
漏電は放置していても絶対に回復しません。 何らかの方法で漏電個所を発見し、除去しなければなりません。
- まず水槽に接続されている器具のコードを一つひとつ外していきます。 外しながら漏電が消えるか確認していきます。 当然、漏電している器具を外すと電気を感じなくなります。
- 器具が特定できたら、それ以外の器具のコードやコンセント部分を綺麗に清掃しながら一つひとつコンセントに差し込んでいきます。 そして差し込みながら、漏電が起きないか確認します。 稀に二つの器具が同時に漏電することがあるので、これを行ないながら二つ目の器具を探すわけです。 また、清掃は硬く絞った手拭やクリーナーを使いながら、付着した塩分や埃を取るように行い、コンセントに差し込む前に必ず乾いた手拭などで水分を完全にふき取ります。
- 次に漏電していた器具の清掃を同じように行ないます。 プロではありませんので、分解して清掃することなどは不可能と諦めてください。 清掃により漏電がおさまる事もあります。 清掃が済んだらコンセントに繋いで確認してみますが、漏電が直っていないようでしたら新品と交換してください。
◆漏電の起き易い器具
あくまでも経験によりますが、私の場合には 蛍光灯 が殆どでした。 意外に思うかもしれませんが、水中に入っている部分が無くても漏電します。 これは水面からの海水の飛沫がつくためで、エアーを入れている場合は特に要注意です。 ガラス蓋をしたり、蛍光管の端子部分をテープで巻いておく等しておきましょう。 その次は ヒーターです。 ヒーターは両端をゴムにして水分の侵入を防いでいますが、熱を持つためにこのゴムの部分が劣化してしまいます。 ここが劣化してくると、次第に漏電してきます。 経験ではモーターなど他の機器で漏電したことはありません。
◇漏電の確認
何気なく「漏電を確認する」と書いていますが、どうやって確認しましょうか。 指を水中に入れるのが確実かもしれませんが、私なんぞは仕事が電気やのくせにこの感電が大嫌いでありまして、知らずに触るのは別にしても分かっていて指を入れる気にはとてもなれません。 そんな人は低圧の検電器を使ってください。 DIYショップや電気店で300円程度から置いてあります。 ドライバーや鉛筆形をしていて、指で持って先端を危惧に当てると、漏電していれば内部のランプが点灯して分かるようになっています。 なお、ここで書いた程度の漏電の場合、家庭の分電盤についている漏電遮断機(ELBなど)は動作しません。
忘れた頃に漏電は発生します。 買い置きのない場合の冬場のヒーターの漏電は悲惨です。 一晩で全ての魚の命にかかわります。 買い置きを用意しておくか、普段から二本のヒーターを使用すると良いと思います。
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ビリビリは忘れた頃にやってくる。 油断大敵、油断大敵。 |