1. 苔の発生 |
<苔の対処>
水槽設置、テストフィッシュ投入から1週間後です。 デバスズメは蛍光燈の光をキラキラ反射させながら、人工飼料をよく食べています。
10日ほどたったある日、ふと気がつきました。 水槽面や敷き砂の表面が薄く色付いているようです。 さらに4〜5日すると、
それがはっきりしてきました。 色が次第に濃くなって、まるで鉄錆のような感じです。 それが水槽面を覆い、さらに敷き砂の表面を大きく覆ってきました。 これは苔の一種(左側上段の2枚の画像)です。
特に、水槽を新規に設置した場合の最初に発生することが多いようです。 この苔は水槽面や砂の表面以外に飾り珊瑚や石の上にも発生します。
一般的に苔の発生は海水中のリンの含有量に関わっているといわれていますが、
詳細なデータはありませんので紹介できません。 リンの含有量を測定する試薬もありますが、飼育開始当初はそこまでの余裕はないのが普通でしょう。
この苔が発生したら、水槽面はティッシュやクロスなどで拭き取ってやります。 この苔は簡単に拭き取れます。
苔の発生がイヤなら、りん酸を吸着するろ材を入れたりすることも考えられますが、効果は絶対ではありませんし、効力に期限があり、それが切れると効果がなくなります。 暫く(半年くらい)して濾過が出来上がる頃には殆ど発生は見られなくなりますので、それを待つのも良い方法でしょう。
その他の、初期に発生しやすい苔を見ると下画像の右側のような緑色の苔と左側の赤色の苔があります。 この苔は紹介した茶色の苔のようにサラッとしたもののほかにベタッとしたアメーバーのような苔と2種類あるようです。 前者は茶色ごけと同じように拭き取り、後者はその一端を摘まむと苔全体が剥がれますので、そのまま廃棄します。
ずれの苔も発生をすべて押さえることは不可能ですから、こまめに取り去ることの方が現実的でしょう。
濾過が出来てくれば、その発生は随分収まるようですから、濾過の出来具合のメアスにしてはどうでしょうか。
[ 追記1 ]
苔の発生はある程度やむを得ないところもありますが、苔を食べるほかの生き物にこれを食べてもらうという方法もあります。 いちばん有名なのはシッタカ (尻高貝) でしょう。 巻貝の一種で横から見ると綺麗な円錐形をしている黒い貝です。 これはショップなどに苔取り用として売られていますし、季節になるとデパートの鮮魚売り場に並べられることもあります。夜行性が強く、夜になると水槽面を動き回りながら苔を食べてくれます。 緑色の苔でも茶色の苔でも食べてくれるようですが、ベタッとしている苔や赤色の苔は食べてくれないようです。 また、いずれにしても食べた後に細かな食み後が残りますから、雑巾で拭いたようには綺麗にいかないと思います。 同じように苔を食べてくれる生き物としては、海胆、サザエもありますが、海胆は石灰藻も食べてしまうらしく嫌う人もいます。 私の水槽にはシッタカと姫サザエがハイっています。 また、魚の中にも、ハギの仲間やニザダイの仲間、ヤエヤマギンポばど苔を食べる種類がいますが、私としてはさほど効果的とは思っていません。 ナマコ類は砂の上についた苔を取るにはとても役に立ってくれます。
[ 追記2 ]
苔が発生したら清掃するのが一番簡単な方法といいました。 好きで始めた海水魚飼育でしょうから、清掃も余り負担に思う事はないと思います。
それでも効率よく行ないたいと思うことは当然です。 基本的にはスポンジやキッチンペーパーなどを使って苔取りをしますが、こびり付くような頑固な苔やシッタカの食み後の苔には三角定規のようなものを使います。 この場合、アクリル水槽ですと力を入れ過ぎると傷をつけてしまう恐れがあります。 こんなと場合に便利なものを発見しましたので紹介します。 スポンジの一種なのでしょうが、「水だけで汚れを落とすクリーナー」と宣伝にあります。 確かに使用してみると、普通のスポンジでは取れないこびり付いた汚れもすっかり綺麗にすることができます。 「消しゴムのようにカスが出る」とありましたが、アクリル面に使った限りではカスは出ませんでした。 材料表示は「メラミンフォーム」、用途は「ガラス、鏡、陶磁器、ステンレス、光沢の気にならないプラスチック面など」とあります。 ちょっと癖になるかも (^^:) 左にある画像の左側がそれです。
右の画像も良く使っている濾過バクテリアですが、苔の発生を抑えるはたきもあるようで、水槽の新規立ち上げの時には有用なようです。
特に底砂上に発生する緑色のベタッとした苔を抑える働きが強そうです。
奇麗な水槽は苔取りから始まる |