アサリを使った海水魚餌付け方法 (2001.07.21) |
なかなか餌付かない海水魚を人工の飼料に餌付かせるための方法をご紹介します。 本来、自然の海の中で自由に食料を捕っていた海水魚を水槽で飼おうとするわけですから、本質的に無理があるのを自覚しておきましょう。 それでも、飼育する以上長生きをしてもらいたいのが人情ですからその基本となる食べ物は人工のものに切り替えましょう。 自然の海ではない水槽での飼育では人工飼料が最も優れた食べ物であると思います。
左図は人工飼料を混ぜ込んだもので、適度に溶け出した水分で簡単に混ざります。 右図は混ぜ込んだものをアサリの殻に戻したものです。 このまま再び冷凍します。 アサリの殻はバラバラにしないほうが安定性がいいのでそのまま蝶番のついたままで使用します。 実際に魚に与える場合には凍ったままで構いませんからそのまま水槽に落とします。
途中で魚が人工飼料入りのアサリを食べなくなることがあります。 そのときは素へ戻してやり直してみてください。 アサリを食べない場合には、冷凍のブラインシュリンプに代えてみてください。 何とか餌を食べてくれないことには始まりません。
左の画像は冷凍したアサリとこれを二つ割にしたものです。 例えばチョウチョウウオとかヤッコのように最初は人口飼料に見向きもしない魚や採集した幼魚などにはこれを与えます。 大変に嗜好性の強い餌で殆どは興味を示してくれます。 魚が小さい場合にはあさりの身に切れ目を入れてあげてください。 殆どの場合朝夕一回位ずつの給餌で良いでしょう。 食べているのを確認したら3〜4日これを続けます。
なお、この冷凍アサリを開いたものを通称「アサリポン」(← あくまでも通称)と言います。
アサリを食べるようになったら次の段階への準備をします。 これは冷凍したアサリを殻から外したものです。 これをいくつか用意します。 用意する量は魚の数と混ぜ込む飼料の割合よります。 何度か経験してみてください。 アサリを殻から出したら、これを包丁やナイフで細かく刻みます。 このとき、アサリが凍っていた方が圧倒的に刻みやすいのです。
これがよく刻んだアサリの剥き身です。 私の場合は相当細かく刻みます。 包丁を使い凍った身を最初はザクザクと大まかに切り、次第に細かく切っていきます。 ある程度細かくしていくと凍った身から水分が出てきます。
これに人工飼料を混ぜ込みます。 左図は約3割、右図は5割です。 当然最初は割合を低くします。 1割から始めてもかまいません。 3〜4段階程度で10割人工飼料にすることを目標にします。 このときの飼料は海水魚の餌と称していればどのメーカーのものでも構いませんが、入手のしやすさや値段から決めてください。 また魚にあわせた大きさのものとしますが、一般的には小粒のもので良いでしょう。
左の画像はこのようにして作った餌をレッドシーバナーが食べている画像です。 なお、餌付ける場合のもう一つの大事な要素は環境です。 この画像でははっきりしませんが、この魚は飼育籠の中にいます。 そうしないと他の魚にあっという間にアサリや飼料を食べられてしまうからです。 最初はアサリに対しても魚は警戒していますので、自分ひとりだけでじっくりあさりや飼料を観察できる環境がほしいのです。 その為には別の水槽を用意するか、このような飼育籠が必要なのです。 この環境で完全に人工飼料を食べるようになったら他の魚といっしょにしましょう。