冬の磯 (2000.11.25)

 朝6時にセットした目覚まし時計が時を告げた。 いつもの通り5分遅れの時の声だ(フン、安物目)。 鼻の付け根が痛い。 喉も痛い。 昨日より風邪の具合は悪くなっているようだ。 今日も行けないのか。 これでは何時までもけじめがつかない。 私の気持ちのだ。 ズビズビと鼻をかみ、カカカと痰を吐く (まるでオヤジだ) マッキッキ!やはり行かない方が良いのか? しかし、それではシーズンのけじめが・・・。
 「何時ごろお帰りでせうか?」 妻が起きてきた。 そうだ、彼女にも出かけることは言ってある。 変に止めたら彼女にも悪い。 行かなくては・・・。  「遅くても12時半には帰る。」 これで決まった。 眠くならない鎮痛剤を飲んで家を出た。 朝日除けのサングラスを着けてポルチェの運転席に着けば 身も心も引き締まる。 そして僅か1時間15分後には、私はいつものKの駐車場入り口に佇んでいた。 集金に来たいつもの中年の管理人に 「どーも〜、今年はこれで最後ですう〜」 と挨拶する。  「今日は大潮なんだっけか・・・ハハッ」、 相変わらず気心に知れた二人の会話はテムポが良い。 駐車場で着替えたが、もう夏ではない。 ジーパンに長袖トレーナー二枚重ねである。 いざ出発と一歩足を踏み出したとたん、ポテッと背中から何かが落ちた。 マ○キ○特売のホッカイロであった。 「ウギャッ XXXXX] と呟いた私はすぐに拾い上げ、砂を落として、手をまわし背中のアンダーシャツの上に貼り付けた。 「グッグッ、手が回らん。 体が固い」 何とか背中に貼り付けた桐灰がまた落ちないように、背中をリンカーンのボヂィに十分押し付けた。 埃が付いた。 かくして駐車場を出た私は急な坂道を磯へと歩き出した。 あの磯へ向けて・・・。
 3時間後、私は同じ坂道に立ち、磯を振り返っていた。 最後の採集に来られたことに十分に満足していたのである。 「でも、今日はともかく、他の日はもう少し採集したかったがにぃー (←全然満足してにゃい)。」 駐車場の入り口の自動販売機でスカッチを買う。 なんと、ここの販売機は500円玉が使える。 新500円玉も使えるのである。 荒野の果てに最新のテクノロジーを見た。 駐車場の管理人は来る冬に備え、リヤカーの荷台を修理していた。 ニューヨークの冬は厳しいのだ。  「それじゃまた春になったら来ますから・・・」 「ウン、リヤカーの板がきちんと切れないんで、合わせるのが難しい」 「それジャー帰りますので」 「夜の大潮時の方が潮はよくひくんだよな」 二人の会話は尽きない。 名残は惜しいがロールズロイズはスタートした。 ウェールズの田舎道を走るのは良い。 しかし、この道をまた走るのは半年先だろう。 (アッ miuraさん、今度の土曜日なら予定無いんで会えますよ、ココデ) イングランドの季節は早く動くのだろうか、ついこの間まで道端で売っていたウォーターミロンに代わって、デエゴンが売られている。 そういえばここミルウォーキーは大根の有名産地でもある。 そう、季節は代わる。 またしばらく休んでいれば採集の季節である。 それまで暫し冬眠だ。 なぁーに、来年には偉大な黒潮がこの北アイスランドの地にも魚を運んでくれるさ。 自然は偉大なんだから・・・。

            −−−−−−−− 2000年シーズン終了に代えて (偉大なるイングランドの自然へ感謝を込めて) −−−−−− 

ウメボシイソギンチャクの親子 00.11.25 てな、馬鹿な文章にお付き合いいただきありがとうございます m(__)m 今日でシーズン終了です。 後半は風邪気味で殆ど海へいけなかったので、どうしても最後に一度行きたかったわけです。 それも叶いましたので、今日で正式終了です。
 勿論、今日の収獲はなしです。 魚ではギンユゴイ、コトヒキ、オヤビッチャが少しいただけです。 採集対象魚がいないだけで、磯そのものは冬型の生き物が沢山見られました。 色とりどりの海綿が沢山出始め、マツバガイなどの貝類、ケヤリ、アメフラシなども数が増えていました。数で特に目立ったのはが、ウメボシイソギンチャクでした。 波のひいた岩には触手を引っ込めたものが、水中には真っ赤な触手を広げたものが沢山いました。 ある岩下にはビッシリ着いていて、真っ赤なじゅうたんを広げたようでした。そこで、小さな石ころに付いたウメボシイソギンチャクを一つ連れてきてしまいました。 これは採集物ではないのですがが、一つだけ石ころに付いていたので、ついつい連れてきてしまいました。 真っ赤な触手で4cmくらいでしょうか。 付いていた石が水槽と合わないので、爪楊枝で根元をツンツンしてウメボシだけ水槽に入れました。 するとウメボシは扱いが気に入らなかったのかいきなり反撃に出ました。 口(肛門?)から何かを二発発射したのです。 その一つは水槽のガラス面に付着し、もう一つはすぐ近くの岩の上に落ちました。 よくよく見ると、なんとそれは小さなイソギンチャクの赤ちゃんでした。 (写真の右側に注目)  慌てて図鑑で確認すると、「卵胎生で、口から子を放出する」と書かれてました。 納得です。 それにしてもこの触手の真赤は見事で驚いています。 画像は色が出ていません。本当は燃えるような赤です。



磯の情景 (2000.08.10)

磯1 00.08.10  真夏の、特に学校が夏休みの間の海辺は、私のように採集目的で磯の行く人間よりも、 家族で水遊びをする人たちのものなのかもしれません。 それは岩場を大きく占領して缶ビールを山のように積み上げた若者たちのものでも、セミプロよろしく岩場の海草や貝をバケツや網に山ほど採っている夫婦づれのものでも、勿論ありません。やはり、小さな子供たちに一生懸命魚の名前を教えているお父さんや、怪我をしないように大きな声で注意しているお母さんとその子供たちのものなのでしょう。 採集をする私は、そんな家族連れの邪魔にならないように空いているプール選んでを覗き込むのです。魚がいそうなプールがあっても、小さな子供が青い網と赤いバケツを持って遊んでいたら、黙って隣のプールへ移るのです。 彼らの一時の楽しい時間を私は邪魔しません。 たとえ、彼らのバケツの中がアゴハゼとカニとヤドカリだけであったとしても、それは最高の収穫なのです。 私がヤッコやチョウを採集できた(としたら)と同じように、あるいはそれ以上に宝物なのです。
磯2 00.08.10
 先日、磯に一年中通ってくるという人と話をしました。その人は初めに目があったときに何か話し掛けたそうな様子が見えたのですが、どうも私は人と話をするのが苦手(最初だけ)な方なので、目線を外してしまいました。 でも、暫くして顔を上げるとやはりこちらを見ていました。 長めの網二本とバケツを持った、鬚を蓄えた方がニコニコしながら立っています。 「採集ですか? 何か採れましたか」の声が出て、岩に腰をおろしてタバコを吸いながらの話が始められました。
「ここ(M半島 A)に7年前から通っている」 「新宿から毎週やって来る」 「昔はもっと魚影が濃かった」 「タツノオトシゴを3匹採集したことがある」 「冬は水槽の海水を汲みにに来る」etcのお話を聞かせてもらいました。 私のほうからは、採集した魚を長く飼育することができないとのことなので、「チョウの餌付けの仕方」 「白点病治療の話」 「水槽サイズの話」などをさせてもらいました。 その方も「今日は家族連れがプールに入っているので採集にならない」と言っていました。でも、「秋が本番だから」とも言ってました。 最後に「それじゃ、又お会いしましょう」の声を掛けて別れました。 秋には、又お会いできそうな気がします。 そのときには、心置きなく採集に専念いたしましょう。



ナミチョウ二匹 (2000.07.01)

チョウハン 00.0617  梅雨の合間の晴れた土曜日。採集に出ない理由は何にもありません。 例によって子供を学校へ送り、 そのまま磯へゴー。 一時間で目的地へ到着です。即,水着に着替え(今日は最初から水に入るつもりでした!)、 磯に降りて行きました。 お目当てのプールへ近づくと、二匹のチョウがサッと岩影に隠れるのがすぐにわかりました。 プールのふちで待っていると、何度か姿を見せますが、こちらの動く影を見てすぐにどこかへ隠れてしまいます。それではと、 隠れたはずの岩の周りを手で探ってみましたが、何故かチョウはいません。 そこで背後のプールの壁をよく見てみると、チョウは岩影に隠れたように見えましたが、実際はプールの壁が”J”の字にくびれていて、その隙間に逃げ込んでしまったようです。 そこでチョウが出てくる隙間の端に網を置き、 もう一つの網の柄を追い出し棒代わりにして隙間を探ってみたところ、一匹が隙間から網を掻い潜り反対方向へ脱出。 横目でそれを見て「二兎を追うもの一兎を得ず・・・」、もう一匹が出るのを待ちますが、なかなか出ません。「おかしいな」と思いながら立ち上がって網を見ると既にもう一匹のチョウは網の中に入っておりました。「アリャマ!」(魚が入ったのを気づかないなんて!)。
先に逃げた残りの一匹はかなり脅かしてしまったので後にして、その間に他のプールを見て回りました。 カゴカキダイ、オヤビッチャ、ギンユゴイなどのお馴染みさんが沢山いましたが、今年はチョウを採りたいと言う事で採集はしませんでした。 小一時間後、同じプールに戻ってチョウを探しましたが、いくら待ってもあのJ字の隙間から出てきません。すでに干潮時刻を過ぎ、潮も満ちてきましたので、諦めて腰をあげたときにプールから外海へつながる水路にチョウを発見。そこは浅くて手網一本でラクラク採集できました。  二匹のナミチョウを採集できたので、今日の採集はここで終了です。

上の写真が採集したナミチョウチョウウオです。二匹ともほぼ同じ大きさで、約30mm。やはり温帯性のチョウチョウウオは育ちがいいようです。前回採集したチョウハンに比べ少し地味なようですが、それでもよく似ていますし、綺麗な魚です。 考えてみると、ナミチョウを採集したのは初めてになります。チョウハン同様、元気に大きくなってほしいのですが、少し採集サイズとしては大きくなっているので、これまたチョウハンと同じように与えた餌を食べてくれるかが心配です。 (とりあえず浅蜊は無視されています・・・)



 
今シーズン初めてのチョウ (2000.06.17)

 今年初めてetoさんと一緒に採集を行いました。 場所はAです。 先に着いた私の方がメジナやヘビギンポを海へ返すついでに、 一昨年生まれて初めてトゲチョウを採集した磯を見回ってみましたが、やはりそれらしき魚の姿は見られませんでした。 やはりまだ少し 早いのでしょうか。駐車場へ引き返して自動販売機でジュースを買っていると、「今日は」とetoさんが登場。  海へ行っている間に到着していたようです。 車のキーを道具ごと閉じ込んでしまったetoさんがJAF連絡をとり、 救助依頼をした後、二人で磯へ向かいました。

チョウハン 00.0617  最初に向かったのは、遊歩道を少し歩いて小さな岬の背を超えた下の磯。 干潮時刻には少し時間がありましたが、 潮は十分引いていて、小さなプールが沢山できていました。 二人で別々に見て回りましたが、ハゼやメジナの子供ばかり目立って めぼしい魚は見当たりません。 「やっぱり早いかな」と思ったとき、etoさんが「チョウチョウウオがいますよ」と声を掛けてくれました。 「ナヌ! チョウ!」 早速etoさんの指差す方を見ますが見えません。「そこそこ、岩の影・・・」stoさんが言ってくれますが、よくわかりません。「エエィ、アッシの 目は腐っておるのか!」その時、岩陰から出たチョウがクルリと反転。「オォ、見えた」 なんとマァ可愛い姿。感激ものであります。 早速採集をと思ったのでありますが、私目がもたもたしている内にチョウ君は深みの石の間。見失ってしまいました。(T_T)
 が、しかし、さすがstoさん、その隣の浅いプールでまたしてもチョウ発見。 「ここなら逃がさないでしょう」と、etoさんが慎重に退路を遮断し、チョウが逃げ込んだ岩をそっと動かすと、ジャジャーン!いません。 「エッ」とetoさん。暫く探しましたが発見できません。 泣きの雨が強くなり、暫く雨宿りの後、一旦車へ引き返しました。 (未練タラタラの私であります) チョウハン 00.06.21  さて、JAFのお兄さんが僅か10秒でetoさんの車のドアを開け、準備万端で再度挑戦です。今度は駐車場から真っ直ぐの磯へ降ります。あちこち見回りながら左手奥へ進んでいきますが、やはり目立った魚は見えません。 etoさんへいろいろ説明しながら進んでいった私は途中でキヌバリを一匹捕まえたのみです。 そうして、子供に約束したアゴハゼの子供を捕まえようと屈みこんでいると、少し離れていたetoさんが「何か採れましたか」。「子供の約束のハゼです」「じゃ、これも持ってって」と、差し出した採集ボックスに、なんと写真のチョチョウチョウウオが入っています。 何とマァ小さくて、可愛くて、綺麗なんでありましょうか。思わず顔が緩んでしまいます。 遠慮なくいただきます〜。
 その後、前半、チョウを取り逃がした所まで戻ってみましたが雨と風が強くなり、プールの水面が波立ち中が見えなくなってしまいましたので、ここで終了としました。

採集しながらいろいろetoさんと話した中で、今シーズンに期待が大きくなってきました。

今シーズンは昨年のようなことはないような予感がします。

ところで、採集してきたチョウ君ですが、無事家まで連れてくることができました。 何と綺麗なんでしょうか。濃いオレンジ(赤に近い) の胸鰭、同様に背鰭の円周もオレンジ、そしてチョンと突き出した口の先もオレンジです。 体は黄色、緑色。 背鰭の目玉模様。 尾の付け根にも目玉模様。 黒のアイバンドと白線。 よく見ているとナミチョウではなく、チョウハンのような気がしてきます。 (ボケた写真ですが、皆さんはどう思いますか) 何せ小さくて、15mm位でしょうか。餌を食べてくれるかとても心配です。



   
採集道具再考 (2000.06.15)

 採集道具を考えてみました。 一口に採集と言っても色々なスタイルがありますし、 何より採集する人の経験と腕の差があります。 その違いによって道具も違ってきます。 何人かの人の道具を見て、色々考えた事や感じた事を含め書いてみます。

採集網 00.0615

◎採集網
 何はともあれ魚を掬うには網が必要です。この網には柄の短い、プールで使用する手網と岸壁採集に使用する伸縮可能な柄の長い網が有ります。
{柄の短い網} 私の場合は写真のようなものを使っています。これは釣り道具屋で購入したもので、 網の直径は30cmくらい、柄の長さも30cmくらいです。 採集を始める時に何気なく買ったものですが、自分としては一番使い易いものです。 ただ、水色の網の部分が深すぎます。水中で網を動かそうとする時に長く伸びた網の端が岩に引っかかり、思うように動かない時が有ります。 魚を掬う瞬間であったりすると泣きます。  それを防ぐために、使用する時は柄と一緒に袋の底を握っています。  もう一つ気になるっているのは、柄の部分がすべて塩ビのような材質で出来ているので、地形に合わせて枠を変形することが出来ないことです.。  隙間を作らずピタッと網を置くようなことが出来ませんので、岩が多いところや岩の間にいる魚を掬おうとするときに不便ではあります.。ただ、網の直径が大きいので、初心者の私には絶対の安心感ができます。.
 白い網は同様のものですが、網の深さもありませんし、網が半円形になって角ができたことにより、青い網の欠点の幾つかが解消されています。  ただ、網の白さを魚が嫌うような気がして、実際にはあまり使っていません。
{ベテランの手網}
 概してベテランの皆さんの手網は小さいです。 その小さい網に魚を追いこむ腕を持っているからでしょう。 手作りされている方も多く、腕と好みで工夫しています。熱帯魚用の網をそのまま使う人もいますし、網のみを変える人もいます。 変える場合の網の目は出来るだけ細かいものを使います。
 写真の右端は熱帯魚用の網で最大サイズのものの枠です。 また、下の青いものはタコ網と称して釣具店で売られている目の細かい網です。これらを使って手作りの網を作ろうかなと考えています。

岸壁採集網 00.0615{岸壁用の柄の長い網]
 写真の右端の網は岸壁採集用の網で、柄の長さは5.4m、網の直径は45cmのものです。 替え網として直径60cmの枠と網も一応持っています。地元のO港へ行った時に高い岸壁の直下にいた南の魚を、 なんとか掬えないかと購入した物で柄の部分は五段伸縮になっています。 柄はグラスファイバー製で軽いのですが、撓りが有りますので使いこなすのはなかなか難しいです。 短いまま使いたい時でも長さの固定が旨くいかず、 シュルシュルといきなり有らぬ方向へ伸びていったりします。秘術が必要です。(ちなみにこれによる採集成果はほぼゼロです!)
{ベテランの網}
 ベテランの使用しているものは柄の長さは好みと必要に応じているようです。この種の網を使う時には魚を次第に追いこみながら、 最終的には岸壁に蓋をするように魚を網に入れるのですが、その後、岸壁に網をくっつけたまま引き上げます。 平らな岸壁なら良いのですが、 蠣殻やフジツボなどがついている岸壁では網と岸壁の間に隙間が出来て、引き上げたら魚がいないなんて事がよく有りますので、この隙間を塞ぐ工夫をいろいろしている人もいます。
{中間サイズの網}
 写真の真中に写っている、柄の部分が二段伸縮程度で全長2m程度の網もよく使います。これはプールにいる魚を水に入らず、岸から掬うのに使います。(ご存知 etoさん流ですね。) 写真の左端は、壊れた網に園芸用支柱を継ぎ足した固定長の網です。
◎{追出し棒}
 これは今の所これと決めたものは有りません。イメージとしては プールに潜った時用に短いものと、プールの外から掬うために少し長いものが欲しいと 思っています。 また、使い古した釣竿を工夫してどちらにも使える可変長の追い出し棒を作りたいと思っています。 追い出し棒というのは、岩陰や岩の隙間に逃げ込んだ魚を網のほうへ追い出すときに使うものです。

磯足袋 00.0615身支度編
 磯や海の中には意外と危険なものが多く、とがった岩、ガラス片、藤壺などの貝、クラゲやゴンズイ、カサゴの類、そして何より強烈な日光があります。 これらに対抗するのに身支度も重要です.
◎磯足袋
 磯の岩場を歩き回るにはそれなりの履き物が不可欠です。底の滑りずらい丈夫なものを用意します。ビーチサンダルは意外と滑りやすく、軽すぎますので使用しない方が無難です。 私の場合は、 写真にあるsyunさんからのいただきものの磯足袋を愛用しています。
◎手袋
 磯の岩に手をついたり体を支えるのに手を使いますが、フジツボや岩の角で手を切る恐れが有ります。 その防護のために手袋は必ず容易します。 私の場合は軍手を愛用してます。
◎着るもの
 体を守るために、Tシャツを着ます。 これにより日差し、擦れ、クラゲなどから体を守ります。 ウエットスーツなどを用意するとより完全でしょう。 決して上半身裸でプールを這い回ってはいけません。
◎{帽子など}
 日差しから守る意味では帽子も必要でしょうか。 しょっちゅう水に潜る場合は煩わしくなりますが用意しておいたほうがいいでしょう。
◎{水中めがね}
 鼻も一緒に覆うもので、水の浸入の無い顔に合ったものが絶対に必要です。 私のように近眼でかつ老眼の人間には非常に困ったものです。 今の所、度のついていない普通のもので頑張ってます。 シュノーケルも絶対に忘れずに。
◎{フィンなど}
 ある程度深く潜る人しか必要ないと思いますが・・・

◎海水パンツは履いたほうが普通だとおもいますが・・・。ご自由に

入れ物編
 折角採集した魚ですから、安全に移動し家まで持ち帰りたいものです.
◎{バケツなど}
 採取した魚を一時入れておいたり、家まで搬送するために用意します。  この場合、磯で持ち歩くものと家までの搬送容器と分けて考えた方が良いです。磯で歩き回る時はそれなりに小さなものとし、持ち歩き易い物にします。 上の写真の右側の容器は味付け海苔の入れ物ですが、磯を移動しながら持ち運ぶのに使っています。 写真はありませんが、8リットルほどのプラバケツ も常時物入れ代わりも兼ねて持ち歩いています。 海苔の容器は水に浮かべたり、水を交換して水温が上がるのを防ぎます。
ブク 00.0615
◎お魚搬送用品
 持帰りの容器としては、大き目のバケツや魚釣り用のクーラーボックス、 大き目のトロ箱を用意しておきます。  長時間の移動には、酸素補給のブクを使ったり、固形のO2剤、スプレー式の酸素とビニル袋の組合せ、温度上昇を防ぐにはドライアイスや氷、 冷えた缶ジュースなどを臨機応変で使用します。 問題は酸素の補給と温度上昇の制御です。
 ブクというのは釣具店で売っていますが、プラスチックの円筒容器の外側を発泡スチロールで覆い保温するとともに、 同じ構造のジッパー式の蓋がついており、この蓋に魚出し入れようの蓋とエアーチューブを差し込む穴が開いていますので、乾電池式のエアポンプから空気を送り込むことができるようになっています。 (写真は釣りざお縦に使われているブクです (^^; )
さて、取りあえずの道具はこんなもので良いでしょうか。あとはそれぞれ採集に出かけながら、あれやこれや気が付いたものを追加するなり改良したりして 工夫していくのも楽しいものです。 私の場合は車で出かけますので必ず黒い大きなビニル袋を何枚か持ちます。 気をつけていても必ず水は漏れてきます。  また、ついつい夢中で魚を追うと食事どころか水分を取ることすら忘れてしまいます。 昨年はこの後遺症で苦労しましたので、必ず500mlの水を用意しています。

 
Kでの一人採集 (2000.06.03)

キヌバリ 00.0603 今日は大潮ですし、天気予報はあまりよくないけれど一人で行ってみました。 行き先はいつものKです。 干潮時刻は11時20分ごろですから、特段慌てることもなく9時少し過ぎに駐車場に到着。
磯に下りて、向かって右側へ歩き始める。最初のプールを上からじっくり眺めていると、小さなアゴハゼの子供やエビの子供が沢山。 前回来たときより、確かに魚は増えている。勿論、南の魚さんはまだと解ってはいるが、眼はギンギン。最初にこれはと思ったのは  キヌバリ でした。キヌバリ自体は珍しいという魚ではないんでしょうが、 私としては昨年に外房で一度採集しただけですし、まして地元のKにいたということで感激しました。 早速採集しましたが、 いたのはこの一匹だけでした。
その後一時間半ほど、いろいろなプールを見て歩きましたが、あまり目立った魚は見えませんでした。 それでも、自分の新しい磯水槽に入れるにはうってつけの、普通の魚は沢山いましたので、その中から、  ナベカ、 ヘビギンポ、 メバルの子供、 メジナ(?)の子供、イソスジエビを採集してキヌバリを採ったプールへ戻ってきました。

イソハゼ 00.0603そこでまた、水中を眺めていると少し変わったハゼがいます。いつものアゴハゼとは違います。早速採集してみると イソハゼ のようです。 家に帰って、所有の図鑑で確認したところ、 図鑑には青っぽいのと赤っぽいのと2枚のイソハゼの写真が出ていましたが、採集したのは赤っぽく見えるものと同じようです。  ハゼの仲間も種類が多く、鑑賞に堪えるものも沢山いそうです。採集できるかどうかは別にしても、挑戦してみるのも面白いかもしれません。
この後予定では、磯の反対側、向かって左側もじっくり見る予定でしたが、ここまででだいぶ時間を使ってしまい、 ここからは駆足になってしまいました。シーズンにはメインになる所でしたが、今日の段階では採集の魚は殆どは見られませんでした。 各プールからは長い海草がだいぶ消えてきてそれらしくなってきていましたが、この磯で一番数が見られる ギンユゴイ すら出ていませんでした。
採集はここまで! 若干疲れた性もあり、もう一ヶ所回る予定もやめて真っ直ぐ帰宅しました。 以下の写真の魚たちも含め、 磯水槽をにぎやかにすることが出来た採集でした。
採集したナべかと 不思議な星



2000年のプレシーズン (2000.05.15)

今日、急遽2000年初のプレ魚採集を実施しました。何故に急遽かといいますと、今日は、5日ほど出かけている女房の代わりの主夫を する日で、磯へ出かけるなんて考えていなかったからです。しかし、子供に朝食を作り、学校へ送り出すとすることがありません。洗濯は朝早く終了してるし・・・。 となると、天気もいいし、新しく磯辺風に立ち上げるつもりの水槽のレイアウトの材料もほしくなりました。 善(?)は急げ!8時半に出発です。 目指すはKの磯。昨年の秋からのお馴染みのところです。 磯の到着したのは10時少し前。潮も確認せずに出かけたんですが、ちょうど引き潮であちこちに 潮溜まりが出来ていました。
いつものようにあちこちプールを覗きながら、「フム、フム、このプールも健在。あのプールも大丈夫。」などと独り言。勿論、 南の魚はまだいません。 それでも、スイスイ逃げるクサフグ相手に採集の練習。小さめのを一匹捕まえて「ヨシヨシ」。
それにしても、今日の主役は「アメフラシ」です。殆どすべてのプールに、ビール瓶サイズのものが二匹三匹。 アメフラシがこれほど大きくなるなんて知らなかった。 産卵時期だったのでしょうか? あちこちのプールに、例のオレンジのソーメンが盛られていました。 去年、豆トゲやフウライを採集したプールを覗くと、ナベカとイソギンポを発見。「イソギンポは水槽のこけを食べてくれるだろか。 ほんとはヤエヤマギンポの方がいいな・・・」などと贅沢なことを言いながら、ひょいと網を伸ばすと、サッと岩の穴に逃げ込みます。そうして、 頭をちょっと出してこちらを見てます。ムラムラッとこちらも採集意欲が出てきて、本腰です。彼の隠れた岩の上に、ドッカリと座り込み、持久戦。石の大仏。 少しでも網を動かすと頭を引っ込めるので、彼が本能に負けて穴から出るのを待つこと15分。出ました。右手の網で穴にふたをすると、彼は慌てて違う岩の 切れ込みへ非難。ところがそれは余り深くない切れ込みとすでに確認済み。左に持った別の網でチョンチョンと突付くと慌てて飛び出し網の中へスッポンであります。

結局、このイソギンポを連れ、バケツ一杯分の磯の石を拾ってヒイヒイいいながら帰った今年の初採集でありました。
ところで、イソギンポって苔食べますかね〜?